グラフを描いて海水の層構造を知ろう

地学の実習。

海は深くなるほど温度が下がります。1つのシンプルな理由としては太陽光を上層で受け、深いところには光が届かないからです。

参考資料[1]には深さと水温のデータがあります。これをグラフ用紙にプロットします。低緯度・中緯度・高緯度でかなり雰囲気が異なります。さらに中緯度は夏季と冬季でも上層に違いが見られます。

水深[m]低緯度[℃]中緯度(夏)[℃]中緯度(冬)[℃]高緯度[℃]
0281810.27.5
1251310.210.20
250910.110.13.75
3757.510103.5
50068.78.73.25
6255.57.57.53
75056.56.52.75
8754.55.85.82.5
10004.45.15.12.5
11254.1552.4
12503.83.83.82.3
13753.23.23.22.1
15003.13.13.12
16253331.8
17502.82.82.81.5
18752.62.62.61.3
20002.52.52.51.25
[1] の後半にはプロットしたグラフと、データを見て考える問題集がついています。参考にしつついくつかポイントを書いておきます。

1.中緯度地域において、夏と冬でどのように違うか。また、その理由を予想して調べてみよう。

2.2000mの深海ではどの地域でも温度はほぼ同じである。これはなぜだろうか。

3.中緯度(冬)のグラフを見て、表層混合層・温度躍層・深層に分けてみよう。

4.中緯度のグラフを見て、季節水温躍層・主水温躍層はどこだろうか。

5.海面から水深125mの範囲において、100mあたりの水温降下[℃/100m]をそれぞれのグラフで求めよう。

6.5の結果から、海面付近で温度降下が最も大きい(小さい)のはどのグラフか。

7.水深750mから1750mの範囲において、5と同様に計算せよ。

8.その他、調べ学習をして分かったこと、考えたことを書こう。

海洋については、まだまだ分からないことが多く、学校レベルの範囲ではいくつもの疑問を残したまま学習を終えることになると思います。表を見てグラフにするという学習は幼稚と思われるかもしれませんが、こういうアナログ作業の時間もたまに設けてはいかがでしょう。

参考文献

[1] Meridian,P., Investigating the vertical thermal structure of the ocean:Temperature vs depth at three different latitudes.

[2] 柏野 祐二 (2016). 海の教科書 波の不思議から海洋大循環まで. 講談社  楽天はココ

[3] 横瀬 久芳 (2023). これからの海洋学 水の惑星のリテラシー. 朝倉書店 楽天はココ

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