初等整数問題①~下1桁の考察

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自然数 $n$ に対して$$f(n)=2^n+n^2$$を定義する。$f(n)$ の下1桁について論じなさい。例えば

(1) 下一桁が 5 になることはあるか。

(2) 下一桁が 0 になることはあるか。

(3) 下一桁に周期性はあるか。

Ellina Grigorieva, "Methods of Solving Number Theory Problems"という本にあった問題を少しだけ深掘りします。もともとの問題はこの $f(n)$ の下1桁が 5 になることはあるか?というものでした。

以下、合同式を使うことがありますが、すべて mod 10 とします。

まずは試してみる

自然数の下一桁というのは10で割った余りです。実際に試してみて規則性を探しましょう。

$n$$2^n$ の下1桁$n^2$ の下一桁$f(n)$ の下一桁
1213
2448
3897
4662
5257
6460
7897
8640
9213
10404

$2^n$ を10で割った余りは2,4,8,6を繰り返すようです(4つごとの周期)。$n^2$ を10で割った余りは1,4,9,6,5,6,9,4,1,0を繰り返すようです(10個ごとの周期)。したがって $f(n)$ の下1桁は20個ごとの周期を繰り返すのでしょう。

nを場合分けする

もう少しちゃんと議論するならば、$2^n$ の下一桁は4つの繰り返しなので $n$ を4で割った余りごとに場合分けしてみるとよさそうです。実際に\begin{align}2^{4k}&=16^{k}=(10+6)^k\equiv 6^k\\&\equiv 6\\2^{4k+1}&=2\cdot 2^{4k}\equiv 2\cdot 6\\&\equiv 2\\2^{4k+2}&=2\cdot 2^{4k+1}\equiv 2\cdot 2\\&\equiv 4\\2^{4k+3}&=2\cdot 2^{4k+2}\equiv 2\cdot 4\\&\equiv 8\end{align}となっています。

一方 $n^2$ についてです。$n$ の下1桁を2乗した数の下1桁を考えたらいいので、$n$ の下1桁ぜんぶを試してみたらいいです。よって $n$ を10で割った余りで場合分けします。\begin{align}(10k)^2&\equiv 0\\(10k\pm 1)^2&\equiv1\\(10k\pm 2)^2&\equiv 4\\(10k\pm 3)^2&\equiv 9\\(10k\pm 4)^2&\equiv 6\\(10k+5)^2&\equiv 5\end{align}上の表を裏付ける結果になりました。

最終的に下の表が完成します。$n=21$ 以降の $f(n)$ の下1桁はこれを繰り返します。

$n$$2^n$ の下1桁$n^2$ の下一桁$f(n)$ の下一桁
1213
2448
3897
4662
5257
6460
7897
8640
9213
10404
11819
12640
13291
14460
15853
16662
17291
18448
19819
20606

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まめしば
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