超塩基性の深成岩のうち、有色鉱物がほとんど角閃石であるものを角閃石岩(Hornblendite)といいます。マグマ内で晶出した角閃石がマグマだまりの底に沈殿してできたものです。斜長石が晶出してしまうと斑れい岩になりますから、斜長石が晶出する前に角閃石の結晶が現れたというわけです。
※角閃岩とは異なります!
ぱっと見た色味からして超塩基性岩です。ほぼ真っ黒な普通角閃石でできているのが分かります。自形の柱状結晶が多く、質感はごつごつ、光沢はきらきらしています。写真では分かりませんが、120度でできる菱形の面も見ることができました。
白い鉱物は長石です。黄緑色をしている部分は、小さなかんらん石の粒が集まったものです(劈開がなく、コロコロしている)。
写真より実視のほうが圧倒的にきれいだよ!
普通角閃石は基本的には黒色ですが、安山岩中で若干褐色を、閃緑岩中では若干緑色を呈することもあります。
一般に、中間~苦鉄質の火成岩では輝石とともに入ってくることがあり、区別が難しくなります。経験である程度は区別ができるものの、劈開が確認できない限り、肉眼のみでの鑑定は困難です。普通角閃石は2方向の劈開をもち、2方向が120°で交わります(輝石は90°)。今回取り上げた角閃石岩では、この120°が明確に見られます。
ほかの石ころ:
「閃緑岩中の普通角閃石」倉敷市立自然史博物館(2023/12/7アクセス)
高橋直樹・大木淳一「石ころ博士入門」全国農村教育協会(2015)【楽天はこちら】
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