玄武岩中のレビ沸石

長崎県平戸市で採集したものです。

ガラスが見られず完晶質斑状です。全体に細粒の輝石やかんらん石を石基として多く含んでいること(実体顕微鏡下で何となく判断しましたが、細粒の橄欖石と輝石は区別困難[5])、1mm程度の黒い斑晶がたまにあることから、玄武岩です。黒い岩ですが、かんらん石があるために緑がかっています。赤い微晶が少しありますが、何か分かりません。シームレス地質図から推測すると、新生代のアルカリ玄武岩でしょう。

白い斑点は斑晶ではなく、あとから晶洞で成長した杏仁状組織と思われます。杏仁状組織は、多孔質な火山岩の空隙に二次鉱物が充填したものです(周藤ほか [1])。よって今回の岩石は水中で噴出した多孔質の溶岩です。

杏仁状組織の二次鉱物はレビ沸石を含みます(という鑑定をもらった)。拡大した写真は下のようになります。

ごちゃっとしてて分かりにくいですが、透明な結晶がたくさん見られて、非常にきれいです。文献によれば、レビ沸石は双晶して六角薄板状の形態をとるとのこと(松原 [2])。確かにそのような形の結晶が見られました。トムソン沸石などの他の沸石グループの鉱物あるいは方解石などの全く異なる鉱物と共生することがあるので [2]、写真内にもいろいろ混ざってるかもしれません。実際、365nmの紫外線で赤っぽく蛍光する部分がありますが、何かは分かりません。方解石でしょうか?

参考文献

[1] 周藤賢治・小山内康人. 記載岩石学 岩石学のための情報収集マニュアル. 共立出版. 2002


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[2] Matsubara, S. The Pieces of Zeolites. Jpn. Mag. Mineral. Petrol. Sci. 2002, 31, 261–267

[3] Hudson Institute of Mineralogy, Lévyne, mindat.org 2023/12/31アクセス

[4] 倉敷市立自然史博物館. 玄武岩(げんぶがん) basalt. 2023/12/31アクセス

[5] 倉敷市立自然史博物館. 玄武岩中のかんらん石(かんらんせき). 2023/12/31 アクセス

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まめしば
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