10m走で速度・加速度を計ろう

高校物理の超簡単な実験シリーズ。高校物理のはじめに勉強する速度と加速度。速度はともかく加速度はひとつの鬼門です。このあたりの話では、「1秒当たり」というのがカギになります。かかる時間を1秒に統一して考えるというのは、今後物理を学習するうえで大切なスキルといえるでしょう。

速度や加速度(の大きさ)をまじめに測定するのは手間です。たとえば伝統的な道具として記録タイマーがありますが、やるべき手数が多く、何をやっているのかが分からなくなることがあります。一番初めは、ここで紹介するような簡単なもののほうがいいかもしれません。

まめしば
まめしば

でも、正確性ゼロの実験だよ!

準備

必要なもの:ストップウォッチ(スマホでも)、メジャー

グラウンドなど、屋外で(豪邸なら屋内でも…)10mをメジャーで計り、スタートとゴールが分かるようにしておきます。

メジャーがないなら、歩幅を使います。成人男性が普通に歩くと15歩、成人女性で16歩くらいが10mになります。例えばここここを参照。

速度を測ろう

まずは等速直線運動で10mを駆け抜けましょう。「等速」なので助走をつけたほうが正確ですが、その辺は求めるレベルに合わせて適当に。

タイムを計ると、速度(というか速さ)は$$v=\frac{10}{t}$$で求まります。歩いたり、小走りしたり、全力で走ったり、いろいろスピードを変えてやってみましょう。

正確には等速でないのですから、本当は平均の速度 $\bar{v}$ とすべきところです。ただ理数が苦手な人は、「平均の」と付くだけで拒否反応を示すかもしれません。実験者のレベルに合わせておおらかに取り組みましょう。

考えてみよう(速度篇)

求めた $v$ は秒速です。これを日常生活でよく使うkm/hに換算してみましょう。

また、「求まった $v$ で1000m進むには何秒かかるだろう」とか「◎◎公園まで行くには何秒かかるだろう」などの応用を計算してみるのもいいでしょう。

ネットで調べつつ、短距離走の世界記録や、マラソン選手のスピードなどを計算してみる、などの学習もあります。

加速度を測ろう

徐々にスピードを上げながら10mを駆け抜けましょう。やってみると案外難しくて楽しいです。はじめは速さゼロで少しずつペースを上げます。加速度を変えて何回か計測しましょう。あまり気にせず全力疾走するのもOK。

等加速度直線運動の式から$$a=\frac{20}{t^2}$$で(平均の)加速度の大きさが求まります。

助走をつけてスタートラインから減速するのもおもしろいです。その場合、ゴールで速さゼロになる必要があります。

考えてみよう(加速度篇)

自転車があれば、それでやってみるといいと思います。人が走るのと比べ、加速度はどうでしょうか?

自動車、普通列車、新幹線等の加速度(起動加速度)を調べ、人が走るのと比べてみましょう。

計算が得意なら、例えば
①もし求まった加速度を維持できるとすると、1時間後には速さはいくらになるでしょう?
②もし求まった加速度を維持できるとすると、1km進むのに何秒かかるでしょう?
③5m地点での速さはいくらだったでしょう?
④10m走中のv-t図やx-t図を書きましょう。
等の例題に取り組むこともできます。

スマホで10m走中の動画を撮影すれば、時刻ごとの位置が分かり、速度の変化が多少見えるかもしれません。

ほかの実験たち:

理科実験集

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