あなたの肩力は? 斜方投射と初速度・最高到達点

高校物理の超簡単な実験シリーズ。今回は斜方投射の学びを深める実験です。斜方投射は、落体の運動の中でも式が複雑で難しいですから、楽しい経験を通して学習したいところ。学んだ方程式を活用して、あなたの肩の強さ(?)を調べてみよう。

まめしば
まめしば

広い場所で、安全にやってね!

準備

準備物:50m程度のメジャー、硬式テニスボール、ストップウォッチ(スマホで代用可)

グラウンドなどの広い場所の隅っこに行きましょう。狭い場所だと思いっきり遠投することはできません。3人くらいで行きましょう。

遠投してみよう!

遠投する人、メジャーで飛距離を計る人、ストップウォッチでボールの滞空時間を計る人、と役割分担します。

遠投する人は、ボールを斜方投射します。その瞬間から、ボールが落下するまでの時間 $T$ を計測します。メジャーを持っている人は、落下地点までの距離 $l$ を計ります(遠投した人が片端をもってあげよう)。

投げる人を交代しましょう。投げる角度を色々と変えてみてもいいでしょう。ただし、あまり水平に近い角度はよくないかもしれません。

考察しよう!

斜方投射の理論を考えるときには上のような座標をとって考えます。本実験では投げた瞬間と落ちた瞬間で高さが1m程度異なりますが、それは無視します。

測定値として、ボールの滞空時間 $T$ および移動水平距離 $l$ を用いると\begin{eqnarray*}l&=&v_{0x}T\\0 &=&v_{0y}T-\frac{1}{2}gT^2\end{eqnarray*}よって\begin{eqnarray*}v_{0x} &=& \frac{l}{T}\\v_{0y} &=& 4.9T\end{eqnarray*}これで斜方投射の初速度が計算できます。速さと仰角にしたければ\begin{eqnarray*}v_0 &=&\sqrt{v_{0x}^{~2}+v_{0y}^{~2}}\\\tan\t_0 &=& \frac{v_{0y}}{v_{0x}}\end{eqnarray*}として三角比の表を使うといいです。投げる瞬間の球速が分かるのは面白いですね。

さらに、最高到達点 $h$ は、時刻 $T/2$ のときの高さですので$$h=\frac{4.9}{4}T^2$$で求まります。こんなに簡単に最高点の高さが分かるなんて、物理はすごい。

その他

プロ野球選手はどれくらい遠くまで飛ばせるのでしょう?佐々木朗希が仰角45度で投げると…?

もちろん、空気の抵抗がありますから、教科書通りにはいきませんが、初速を固定すると、仰角45度のときに水平到達距離が最も大きくなります。これも実験で確かめたいですが、人が投げるので、初速を固定するのが難しいですね。

ほかの実験:

理科実験集

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まめしば
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