京都府丹波・中丹の石ころ(蛇紋岩を求めて)

丹波地域の流紋岩質の岩石については:

京都府半国山の溶結凝灰岩・流紋岩

関西石ころ旅。テーマは「蛇紋岩を求めて」。ですが、ついでに拾ってきたものも掲載します。

玄武岩とドレライト(粗粒玄武岩)

玄武岩はいわゆる黒い火山岩です。下のサンプルは石基と斑晶がはっきりしている例です。一方、斑晶がほとんどないものもあります(泥岩と間違うらしい)。微妙に磁石につきます。

玄武岩(宮津市杉山林道)

ドレライト(粗粒玄武岩)は下写真のようなもので、石基の粒が少し見えるくらいに粗くなっています。昔のカテゴリでいう半深成岩にあたります。拡大してみると普通輝石の斑晶があります。写真では分かりませんが、割れ口で針状に光るものがある気がします。何かは分かりません。

ドレライト(亀岡市保津橋周辺)

チャート

チャートは遠洋の深海底が起源です。海洋プレートに乗ってやってきた付加体に混じったものと言えるでしょう。日本は付加体だらけの国土ですので、いくらでも見つかります。見た目からしていかにも堅そうで、割れ方が鋭いのが特徴です。色が多様なのが鑑定を難しくしているかもしれません。

チャート(亀岡市保津橋周辺)
チャート(亀岡市保津橋周辺)
チャート(綾部市八田川下流)

泥質片岩

泥岩が強い圧力(広域変成作用の一種)を受けることにより片理が発達したものです。今回の採集場所ではあまり多くはありませんでした。

泥質片岩(亀岡市保津橋周辺)

蛇紋岩

蛇紋岩は橄欖岩といった超塩基性岩が水と反応して変質してできるものです。蛇のような模様に見えるのでこの名がついています。蛇紋岩は橄欖岩からの変成具合や風化の度合いによって異なる姿を見せます。共通するのは磁石によくつくこと。今回は蛇紋岩化が強く、風化が進んでいるものが取れました。蛇紋岩については:

蛇紋岩(石ころ写真集)

も参照。

蛇紋岩(綾部市八田川下流)
蛇紋岩(綾部市八田川下流)

上の2枚は綾部市でとれたものですが、上流からの転石と思われます。さらに北方に大きな蛇紋岩地帯があります。大江山は蛇紋岩の山だそうです。そのあたりの写真が以下になります。

蛇紋岩(宮津市 杉山林道露頭)
蛇紋岩(宮津市 杉山林道露頭)
蛇紋岩(宮津市 杉山林道露頭)
葉状蛇紋岩(宮津市 杉山林道露頭)

蛇紋岩それぞれが違った姿をしているのが分かります。風化が進んでいて、慎重に触らないとぼろぼろするものもありました。

玄武岩(緑色岩)

海洋プレートは玄武岩質です。なので付加体だらけの日本には玄武岩がこびりつきまくっています。地質図では岩相を「玄武岩(海洋)」と表記していたりします。地上で噴火した玄武岩溶岩とは起源が違うということですね。また海洋プレート由来の玄武岩は変質して少し緑色がかって緑色岩とよばれます。

緑色岩(綾部市八田川下流)

おわりに

今回の石ころ旅は「蛇紋岩を求めて」というテーマでしたが、ほかにも取れたので掲載しました。旅して思ったのは、本当に石探しが難しい時代になったなということです。崖がコンクリートで補強されているので(それはいいことですが)、道沿いに露頭が全然ない。川の転石を拾うにも護岸工事がばっちりで「河原」といえるものがない。いや、そもそも川へ降りられない・・・。石ころ旅をするときは一定の事前調べが重要になってきますね。

あと、蛇紋岩のほかに斑レイ岩も頑張って探したのですが、見つかりませんでした。地質図によれば道中に斑レイ岩体はあるようなのですが、探す場所が悪かったかもしれません。

ほかのもどうぞ:

男鹿半島のヒン岩・ドレライト・デイサイト

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