I≡∫∞0xdx(ex−1)23
積分bot からの出題です。とても苦労したので単独記事にしました。
2通りの解法を示します。1つはベータ関数(Beta function)の微分を用いる方法、もう1つは一般化された超幾何関数(Generalized hypergeometric function)を計算する方法です。
この方法は 便利さん に紹介いただいたもので、こちらの参考リンクを教えていただきました。
積分においてまず e−x=t と置換すると次のように変形されます。
I=−∫10t−13(1−t)−23logtdt
ここでベータ関数の積分による定義
B(x,y)=∫10tx−1(1−t)y−1dt
を x で偏微分します。
∂B∂x(x,y)=∫10tx−1(1−t)y−1logtdt
これと(1)を比べることにより
I=−∂B(x,y)∂x|x=23,y=13
を得ます。
ベータ関数はガンマ関数とB(x,y)=Γ(x)Γ(y)Γ(x+y)なる関係をもちますので、これを微分すると∂B(x,y)∂x=Γ′(x)Γ(y)Γ(x+y)−Γ(x)Γ(y)Γ′(x+y)Γ2(x+y)=Γ(x)Γ(y)Γ(x+y)(Γ′(x)Γ(x)−Γ′(x+y)Γ(x+y))=B(x,y)(ψ(x)−ψ(x+y))ここで ψ(x) はディガンマ関数です。したがってI=−B(23,13)(ψ(23)−ψ(1))=−Γ(13)Γ(23)(ψ(23)−ψ(1))=−πsinπ3(ψ(23)−ψ(1))=2π√3(ψ(1)−ψ(23))ここでディガンマ関数の特殊値ψ(1)=−γ,ψ(23)=−γ−32log3+π2√3を用いれば
I=∫∞0xdx(ex−1)23=√3πlog3−π23
と求まりました!
ベータ関数については
ディガンマ関数の特殊値については以下の2つを参照ください。


ベータ関数の微分を用いるテクニックは、次の記事でも紹介しています。

もう1つの方法を示します。I を次のように変形します。I=∫∞0xdx(ex−1)23=∫∞0xe−23x(1−e−x)−23dx二項級数に展開します。I=∫∞0xe−23x∞∑n=0(−1)n(23)nn!(−e−x)ndx=∫∞0xe−23x∞∑n=0(23)nn!e−nxdx=∞∑n=0(23)nn!∫∞0xe−(n+23)xdx=∞∑n=0(23)nn!1(n+23)2=94∞∑n=0(23)n(23)n(23)n(53)n(53)n1n!=943F2[23,23,2353,53;1]=94limϵ→03F2[23,23+ϵ,2353+ϵ,53;1]
よってI=94limϵ→03F2[23,23+ϵ,2353+ϵ,53;1]
ここでトマエの3項間関係式(Thomae's three-term relations for 3F2)を用います.
R(f+g−a−b−c)>0 ならば
3F2[a,b,cf,g;1]=Γ(f)Γ(g)Γ(c−b)Γ(1−a)Γ(c)Γ(f−b)Γ(g−b)Γ(1+b−a)3F2[b,1+b−f,1+b−g1+b−a,1+b−c;1]+Γ(f)Γ(g)Γ(b−c)Γ(1−a)Γ(b)Γ(f−c)Γ(g−c)Γ(1+c−a)3F2[c,1+c−f,1+c−g1+c−a,1+c−b;1]
この式は次の文献から得た。
これを(5)の超幾何関数に適用します。3F2[23,23+ϵ,2353+ϵ,53;1]=−23Γ(53+ϵ)Γ(13)ϵΓ(1+ϵ)3F2[23+ϵ,0,ϵ1+ϵ,1+ϵ;1]+(23+ϵ)Γ(53)Γ(13)ϵ3F2[23,−ϵ,01,1−ϵ;1]
右辺の超幾何級数の変数に 0 が入っています。これは3F2[a,b,0f,g;1]=∞∑n=0(a)n(b)n(0)n(f)n(g)n1n!のように書けますが、n=0 以外の項はすべてゼロとなるので3F2[a,b,0f,g;1]=1したがって3F2[23,23+ϵ,2353+ϵ,53;1]=−23Γ(53+ϵ)Γ(13)ϵΓ(1+ϵ)+(23+ϵ)Γ(53)Γ(13)ϵ=Γ(13)Γ(53)−23Γ(13)Γ(53+ϵ)ϵΓ(1+ϵ)+23Γ(13)Γ(53)ϵ=Γ(13)Γ(53)+23Γ(13)[−Γ(53+ϵ)ϵΓ(1+ϵ)+Γ(53)ϵ]=Γ(13)Γ(53)+23Γ(13)[Γ(53)−Γ(53+ϵ)ϵ+Γ(53+ϵ)Γ(1+ϵ)Γ(1+ϵ)−Γ(1)ϵ]=Γ(13)Γ(53)+23Γ(13)[−dΓ(x)dx|x=53+Γ(53)dΓ(x)dx|x=1]=Γ(13)Γ(53)+23Γ(13)[−Γ(53)ψ(53)+Γ(53)ψ(1)]=Γ(13)Γ(53)+23Γ(13)Γ(53)[−ψ(53)+ψ(1)]=Γ(13)Γ(53)+23Γ(13)Γ(53)[−32+32log3−π2√3]=49Γ(13)Γ(23)[32log3−π2√3]=492π√3[32log3−π2√3]=49(√3πlog3−π23)途中で ϵ→0 の極限をとりました。
以上から(5)よりI=√3πlog3−π23と求まりました。
超幾何関数については素人なので、変な解法になっていないか心配ですが、とりあえずできたのでよしとします。
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