【D18】ベッセルの微分方程式と級数解

概要

ベッセルの微分方程式をフロベニウス法により解く.代表的な特殊解は第1種ベッセル関数と第2種ベッセル関数である.後半の例題では異なる形の方程式が,適切な変数変換によりベッセルの微分方程式に帰着する多様な例を見ることができる.漸化式や初等関数となる例も示す.

テーマ:ベッセルの微分方程式

\begin{equation}x^2y^{\prime\prime}+xy'+(x^2-\nu^2)y=0 \quad (\nu \in \mathbb{R})\tag{1}\end{equation}

初等的に解くことはできませんので級数解を求めます.$x=0$ で正則でないのでフロベニウス法を用いましょう.

フロベニウス法については

【D11】級数法・フロベニウス法

を参照ください.

決定方程式を導く

$$y(x)=\sum^\infty_{m=0}a_mx^{m+r}\;,\;a_0\ne 0$$とおき,微分方程式(1)に代入します.\begin{eqnarray*}&&x^2y^{\prime\prime}+xy'+(x^2-\nu^2)y=0\\&\Leftrightarrow& \sum^\infty_{m=0}(m+r)(m+r-1)a_mx^{m+r}+\sum^\infty_{m=0}(m+r)a_mx^{m+r}+(x^2-\nu^2)\sum^\infty_{m=0}a_mx^{m+r}=0 \\&\Leftrightarrow& \sum^\infty_{m=0}\{(m+r)(m+r-1)+(m+r)-\nu^2\}a_mx^m+ \sum^\infty_{m=2}a_{m-2}x^m=0\\&\Leftrightarrow& (r^2-\nu^2)a_0+(1+r+\nu)(1+r-\nu)a_1x+\sum^\infty_{m=2}\{(m+r+\nu)(m+r-\nu)a_m+a_{m-2}\}x^m=0\end{eqnarray*}第1項に注目します.決定方程式は $a_0\ne 0$ より $r^2-\nu^2=0$ で,その解は $r=\pm\nu$ です.それぞれの $r$ について求めた級数が特殊解になります.なお(1)の形からして $\nu\ge 0$ として一般性を失いません.

級数解と第1種ベッセル関数

$\nu\notin \mathbb{Z}$ とします.$r=\nu \geq 0$ のほうから考えます.級数を代入した微分方程式は$$(1+2\nu)a_1x+\sum^\infty_{m=0}\{m(m+2\nu)a_m+a_{m-2}\}x^m=0$$これが恒等的に成り立つことにより得られる漸化式は$$\begin{cases}a_0= 任意\\a_1=0\\m(m+2\nu)a_m+a_{m-2}=0\end{cases}$$よって奇数項はすべて$0$であり,偶数項のみ考えればよいです.\begin{eqnarray*}a_{2m}&=&-\frac{1}{2m(2m+2\nu)}a_{2m-2}\\&\vdots &\\&=&\left(-\frac{1}{4}\right)^m\frac{\Gamma(\nu+1)}{m! \Gamma(m+\nu+1)}a_0\end{eqnarray*}$a_0=\displaystyle\frac{1}{2^\nu \Gamma(\nu+1)}$ とすると$$a_{2m}=\left(-\frac{1}{4}\right)^m\frac{1}{2^\nu m!\Gamma(m+\nu+1)}$$これによって特殊解の1つ\begin{equation}J_\nu(x) = \sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m+\nu}m! \Gamma(m+\nu+1)}x^{2m+\nu}\tag{2}\end{equation}が求まります.$J_\nu(x)$ を第1種ベッセル関数といいます。$\nu$ は微分方程式(1)において $\nu^2$ としてあらわれているため,$r=-\nu$とした場合も同時に解ですから,そのときの特殊解は\begin{equation}J_{-\nu}(x) =\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m-\nu}m! \Gamma(m-\nu+1)}x^{2m-\nu}\tag{3}\end{equation}です.

よって $J_\nu(x)$ と $J_{-\nu}(x)$ の2つの特殊解を得ることができました.これらは独立であり,一般解は即座に$$y(x)=c_1J_\nu(x) +c_2 J_{-\nu}(x)$$とできます.

$\nu$ が整数のとき

$\nu$ が非負整数 $n$ であるとします.決定方程式の解は $r=\pm n$ です.$r=n$ のときは(2)そのままの式 $J_n(x)$ が特殊解となります.\begin{equation}J_n(x)= \sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m+n}m!(m+n)!}x^{2m+n}\tag{4}\end{equation}

$r=-n$ のときは漸化式$$\begin{cases}a_0= 任意\\a_1=0\\m(m-2n)a_m+a_{m-2}=0\end{cases}$$ を得ます.奇数項はすべてゼロになるので 偶数項についての漸化式$$ 2m(2m-2n)a_{2m}+a_{2m-2}=0 $$を考えます.$m=n$ としてみると $a_{2n-2}=0$ となります.よって漸化式を繰り返し用いることにより$$a_0=a_2=\cdots=a_{2n-2}=0$$となりますので $a_{2n}$ が任意の数で開始項となります.(3)と一致するようにとれば$$ J_{-n}(x) =\sum^\infty_{m=n}\frac{(-1)^m}{2^{2m-n}m! (m-n)!}x^{2m-n} $$$m=n$ スタートであることに注意.これを変形していくと\begin{eqnarray*}J_{-n}(x)&=& \sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^{m+n}}{2^{2m+n}(m+n)! m!}x^{2m+n}\\&=& (-1)^n\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m+n}(m+n)! m!}x^{2m+n}\\&=&(-1)^nJ_n(x)\end{eqnarray*}よって $J_n(x)$ と $J_{-n}(x)$ は一次従属です. この2つの特殊解は一般解を与えないことになります.

第2種ベッセル関数

では $\nu\in\mathbb{Z}$ のときの一般解はどうすればいいのでしょう.

まず $\nu=0$ で考えます.\begin{equation}xy^{\prime\prime}+y'+xy=0\end{equation}フロベニウス法によって得られる $J_0(x)$ が1つ目の特殊解になります.よって\begin{equation}xJ^{\prime\prime}_0+J'_0+xJ_0=0\end{equation}が成り立ちます.ここまでは今までと変わりありません.

ここで第2の特殊解の試行解として$$y_2=J_0(x)\ln x+\sum^\infty_{m=1}A_mx^m$$と置き,微分方程式に代入してみると$$(xJ^{\prime\prime}_0+J'_0+xJ_0)\ln x+2J_0'+\sum^\infty_{m=1}m^2A_mx^{m-1}+\sum^\infty_{m=3}A_{m-2}x^{m-1}=0$$第1項は消えて$$2J_0'+\sum^\infty_{m=1}m^2A_mx^{m-1}+\sum^\infty_{m=3}A_{m-2}x^{m-1}=0$$これに第1種ベッセル関数の式$$J_0(x) = \sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m}m! m!}x^{2m}$$を代入すると$$\sum^\infty_{m=1}\frac{(-1)^m}{2^{2m-2}m! (m-1)!}x^{2m-1}+\sum^\infty_{m=1}m^2A_mx^{m-1}+\sum^\infty_{m=3}A_{m-2}x^{m-1}=0$$シグマを書き下して次数の低いほうから調べていくと、

  • 定数項から $A_1=0$
  • 1次の項から $4A_2-1=0$
  • $x^{2k}$ の項から $(2k+1)^2A_{2k+1}+A_{2k-1}=0\;(k\ge1 )$
  • $x^{2k-1}$ の項から$$\frac{(-1)^k}{2^{2k-2}k!(k-1)!}+4k^2A_{2k}+A_{2k-2}=0\;(k\ge 2)$$

よって以下の関係式を得ます。$$\begin{cases}A_1=A_3=A_5=\cdots =0 \\A_2=\displaystyle\frac{1}{4}\\A_{2k}=\left(-\displaystyle\frac{1}{4k^2}\right)\left[ A_{2k-2}+\displaystyle\frac{(-1)^k}{2^{2k-2}k!(k-1)!}\right]\quad (k\geq 2)\end{cases}$$偶数項の漸化式は解けて$$A_{2k}=\frac{(-1)^{k-1}}{2^{2k}(k!)^2}h_k \quad , \quad h_k=1+\frac{1}{2}+\cdots \frac{1}{k}$$となります(数学的帰納法で簡単に確認できます).よって第2の特殊解は$$y_2=J_0(x)\ln x-\sum^\infty_{m=1}\frac{(-1)^mh_m}{2^{2m}(m!)^2}x^{2m}$$解の基底は $J_0$ とこの $y_2$ としてもよいのですが、$y_2$ を $\displaystyle\frac{2}{\pi}(y_2+(\gamma-\ln 2)J_0)$ におきかえて基底としたものを0次の第2種ベッセル関数 $Y_0(x)$ とよび,$$Y_0(x)=\frac{2}{\pi}\left[ J_0(x)\left(\ln\frac{x}{2}+\gamma \right)-  \sum^\infty_{m=1}\frac{(-1)^mh_m}{2^{2m}(m!)^2}x^{2m} \right]$$となります。$\gamma$ はオイラー・マスケローニ定数です。

よって $\nu=0$ のベッセルの微分方程式の一般解は$$y=c_1J_0(x)+c_2Y_0(x)$$と表せることが分かります.第1種ベッセル関数と第2種ベッセル関数の線型結合が一般解となるわけです.

なお一般の $n$ における第2種ベッセル関数 $Y_n(x)$ は$$Y_n(x)=\frac{2}{\pi}J_n(x)\left(\ln\frac{x}{2}+\gamma\right)-\frac{x^n}{\pi}\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m(h_m+h_{m+n})}{2^{2m+n}m!(m+n!)}x^{2m}-\frac{x^{-n}}{\pi}\sum^{n-1}_{m=0}\frac{(n-m-1)!}{2^{2m-n}m!}x^{2m}$$となります.これの導出については:

第2種ベッセル関数 $Y_\nu(x)$ の計算

ベッセルの微分方程式の一般解

一般の $\nu\in\mathbb{R}$ における第2種ベッセル関数は$$\begin{cases}Y_\nu(x)=\displaystyle\frac{1}{\sin\nu\pi}[J_\nu(x)\cos\nu\pi-J_{-\nu}(x)]\\Y_n(x)=\displaystyle\lim_{\nu\to n}Y_\nu(x)\end{cases}$$$\nu \notin \mathbb{Z}$ のときは解の基底を $J_\nu , J_{-\nu}$ としてきましたが、$Y_\nu$ がそれらの線型結合になっているので基底を $Y_\nu ,J_\nu$ に取り換えても構いませんよね.このようにすることで $\nu \in \mathbb{Z}$ では $Y_\nu$ は $\nu\to n$ の極限値で求まるようになっています.

以上からベッセルの微分方程式の一般解は$$y(x)=c_1J_\nu(x)+c_2Y_\nu(x)$$となるのです.

$J_0(x)$ と $Y_0(x)$
$J_1(x)$ と $Y_1(x)$

$J_\nu(x)$ の漸化式

$$x^\nu J_\nu=\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m+\nu}m!\Gamma(m+\nu+1)}x^{2m+2\nu}$$を微分すると$$\frac{d}{dx}(x^\nu J_\nu)=\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m\cdot 2(m+\nu)}{2^{2m+\nu}m! \Gamma(m+\nu+1)}x^{2m+2\nu-1}=x^\nu J_{\nu-1}$$$$\therefore \frac{d}{dx}(x^\nu J_\nu)=x^\nu J_{\nu-1}$$同様にして$$\frac{d}{dx}(x^{-\nu} J_\nu)=-x^{-\nu} J_{\nu+1}$$あらわれた2式をそれぞれ微分して$$\begin{cases}\nu x^{\nu-1}J_\nu +x^\nu {J_\nu}'=x^\nu J_{\nu-1} \\-\nu x^{-\nu-1}J_\nu +x^{-\nu} {J_\nu}'=-x^{-\nu} J_{\nu+1}\end{cases}$$この2式から${J_\nu}'$を消去あるいは$J_\nu$を消去することで$$J_{\nu+1}+J_{\nu-1}=\frac{2\nu}{x}J_\nu$$$$J_{\nu-1}-J_{\nu+1}=2{J_\nu}'$$なる漸化式を得ます.

半整数次の $J_\nu(x)$ は初等関数

第1種ベッセル関数 $J_\nu$ は特殊関数であり,一般には初等関数で表せません.しかし $\nu$ が半整数値の場合は特別です.第1種ベッセル関数の式$$J_\nu(x) = \sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m+\nu}m! \Gamma(m+\nu+1)}x^{2m+\nu}$$より\begin{eqnarray*}J_{1/2}(x)&=&\sqrt{x}\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m x^{2m}}{2^{2m+1/2}m!\Gamma(m+3/2)}\\ &=&\frac{1}{\sqrt{x}}\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m x^{2m+1}}{2^{2m+1/2}m!\Gamma(m+3/2)}\\ &=&\frac{1}{\sqrt{x}}\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m x^{2m+1}}{2^{2m+1/2}m!(m+1/2)(m-1/2)\cdots 1/2\Gamma(1/2)}\\ &=&\sqrt{\frac{2}{\pi x}}\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m x^{2m+1}}{2^{2m+1}m!(m+1/2)(m-1/2)\cdots 1/2}\\ &=& \sqrt{\frac{2}{\pi x}}\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m x^{2m+1}}{(2m)!!(2m+1)!!}\\ &=& \sqrt{\frac{2}{\pi x}}\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m x^{2m+1}}{(2m+1)!}\\ &=&\sqrt{\frac{2}{\pi x}}\sin x\end{eqnarray*}と計算でき,初等関数だと分かります.
漸化式 $(x^{1/2}J_{1/2})'=x^{1/2}J_{-1/2}$ を利用して$$J_{-1/2}(x)=\sqrt{\frac{2}{\pi x}}\cos x$$さらに3項間漸化式$$J_{\nu+1}+J_{\nu-1}=\frac{2\nu}{x}J_\nu$$を用いれば $J_{3/2}$ も初等関数であり,繰り返し漸化式を使うことで $\nu=\pm \displaystyle\frac{1}{2} , \pm\frac{3}{2},\cdots$ で $J_\nu$ は初等函数であらわせることが分かります.

例題に挑戦

問題1

$$x^2y^{\prime\prime}+xy'+\left(x^2-\displaystyle\frac{1}{9}\right)y=0$$

$\nu=1/3$ より第1種ベッセル関数が一般解を与えます.$$y=c_1J_{1/3}(x)+c_2J_{-1/3}(x)$$もちろん第2項を $Y_{1/3}(x)$ としてもOK.

問題2

$$x^2y^{\prime\prime}+xy'+(a^2x^2-\nu^2)y=0\;(\nu\notin\mathbb{Z})$$

$ax=z$ とおくと$$\frac{dy}{dx}=a\frac{dy}{dz}\;,\;\frac{d^2y}{dx^2}=a^2\frac{d^2y}{dz^2}$$代入して整理すると$$z^2\frac{d^2y}{dz^2}+z\frac{dy}{dz}+(z^2-\nu^2)y=0$$$\nu\notin\mathbb{Z}$ よりベッセル関数が一般解を与えます。$$y=c_1J_\nu(ax)+c_2J_{-\nu}(ax)$$

問題3

$$x^2y^{\prime\prime}+xy'+\left(4x^4-\displaystyle\frac{1}{4}\right)y=0$$

$x^2=z$ とおくと $$y'=2\sqrt{z}\frac{dy}{dz}\;,\;y^{\prime\prime}=4z\frac{d^2y}{dz^2}+2\frac{dy}{dz}$$微分方程式に代入して整理すると$$z^2\frac{d^2y}{dz^2}+z\frac{dy}{dz}+\left(z^2-\displaystyle\frac{1}{16}\right)y=0$$$\nu\notin\mathbb{Z}$ よりベッセル関数が一般解を与えます.$$y=c_1J_{1/4}(x^2)+c_2J_{-1/4}(x^2)$$

問題4

$xy^{\prime\prime}+5y'+xy=0$ の特殊解を1つ求めよ。

$u(x)=x^2y$ とおくと$$y'=\frac{1}{x^2}u'-\frac{2}{x^3}u$$$$y^{\prime\prime}=\frac{6}{x^4}u-\frac{4}{x^3}u'+\frac{1}{x^2}u^{\prime\prime}$$微分方程式に代入して整理すると$$x^2u^{\prime\prime}+xu'+(x^2-4)=0$$よって特殊解は $u(x)=J_{2}(x)$ ですので$$y_1=\frac{1}{x^2}J_{2}(x)$$

問題5

$$x^2y^{\prime\prime}+\displaystyle\frac{1}{4}\left(x+\frac{3}{4}\right)y=0$$

$y=u(x)\sqrt{x}\;,\;\sqrt{x}=z$ と変換すると$$z^2\frac{d^2u}{dz^2}+z\frac{du}{dz}+\left(z^2-\frac{1}{4}\right)u=0$$よって$$u(z)=aJ_{1/2}(z)+bJ_{-1/2}(z)$$ここで$$J_\nu(x) = x^\nu\sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m+\nu}m! \Gamma(m+\nu+1)}x^{2m}$$$$J_{-\nu}(x) = x^{-\nu} \sum^\infty_{m=0}\frac{(-1)^m}{2^{2m-\nu}m! \Gamma(m-\nu+1)}x^{2m}$$より級数を計算すると$$J_{1/2}(z)\propto\frac{\sin z}{\sqrt{z}}\;,\;J_{-1/2}(z)\propto\frac{\cos z}{\sqrt{z}}$$となりますので$$u(z)=c_1\frac{\sin z}{\sqrt{z}}+c_2\frac{\sin z}{\sqrt{z}}$$$$\therefore\quad y(x)=x^{\frac{1}{4}}(c_1\sin\sqrt{x}+c_2\cos\sqrt{x})$$

問題6

$I=\displaystyle\int^2_1x^{-3}J_4(x)dx$ を計算せよ.$J_0$ , $J_1$ を解答に含めてよい.

$x^{-3}J_4=-(x^{-3}J_3)'$ より$$I=-\int^2_1(x^{-3}J_3)'dx=-\left[ \frac{J_3(x)}{x^3}\right]^2_1$$となります.ここで$$J_3+J_1=\frac{4}{x}J_2 \Longleftrightarrow J_3=\frac{4}{x}J_2-J_1$$$$J_2+J_0=\frac{2}{x}J_1 \Longleftrightarrow J_2=\frac{2}{x}J_1-J_0$$より$$J_3=\left( \frac{8}{x^2}-1 \right)J_1-\frac{4}{x}J_0$$$$\therefore I=-\frac{1}{8}J_1(2)+\frac{1}{4}J_0(2)+7J_1(1)-4J_0(1)$$

問題7

$\displaystyle\frac{d}{dx}(x^\nu J_\nu)=x^\nu J_{\nu-1}\; ,\; \displaystyle\frac{d}{dx}(x^{-\nu} J_\nu)=-x^{-\nu} J_{\nu+1}$ の2式からベッセル微分方程式を導け.

$$\begin{cases}J_{\nu-1}=x^{-\nu}\displaystyle\frac{d}{dx}(x^\nu J_\nu)\\\displaystyle\frac{d}{dx}(x^{-\nu+1} J_{\nu-1})=-x^{-\nu+1}J_{\nu}\end{cases}$$$J_{\nu-1}$を下の式へ代入すれば,\begin{eqnarray*}&&\frac{d}{dx}\left[ x^{-\nu+1} x^{-\nu}\displaystyle\frac{d}{dx}(x^\nu J_\nu)\right]=-x^{-\nu+1} J_{\nu}\\&\Leftrightarrow& \frac{d}{dx}\left[x^{-2\nu+1}(\nu x^{\nu-1}J_\nu+x^\nu J'_\nu)\right]=-x^{-\nu+1} J_{\nu}\\&\Leftrightarrow& x^2J^{\prime\prime}_\nu+xJ'_\nu+(x^2-\nu^2)J_\nu=0\end{eqnarray*}これはまさにベッセルの微分方程式です.

補足:1階導関数の消去

一般の斉次2階線型常微分方程式 $y^{\prime\prime}+p(x)y'+q(x)y=0$ において $y=u(x)v(x)$ としたときに $u'$ を含まないような微分方程式を得たいとします.代入すると$$u^{\prime\prime}v+(2v'+pv)u'+(v^{\prime\prime}+pv')u+quv=0$$$u'$ の項をなくすには $2v'+pv=0$ すなわち$$v(x)=\exp \left(-\frac{1}{2}\int p(x)dx\right)$$とおけばよいことになります.

ベッセルの微分方程式において応用してみましょう.$$x^2y^{\prime\prime}+xy'+(x^2-\nu^2)y=0$$を$$y^{\prime\prime}+\frac{1}{x}y'+\left(1-\frac{\nu^2}{x^2}\right)y=0$$と変形して$$v(x)\equiv\exp \left(-\frac{1}{2}\int \frac{1}{x}dx\right)=\frac{1}{\sqrt{x}}$$とおきます.$y=u(x)\displaystyle\frac{1}{\sqrt{x}}$ とおいてベッセル方程式に代入すると1階微分がない方程式

$$x^2u^{\prime\prime}+\left(x^2+\frac{1}{4}-\nu^2\right)u=0$$

を得ます.

例題をやってみましょう.

問題8

 $\nu=1/2$ についてのベッセルの微分方程式を上の方法で解け.

$y=u(x)\displaystyle\frac{1}{\sqrt{x}}$ として1階導関数を消去すると$$u^{\prime\prime}+u=0$$すなわち $u(x)=c_1\sin x+c_2\cos x$ です.よって解は$$y=c_1\frac{\sin x}{\sqrt{x}}+c_2\frac{\cos x}{\sqrt{x}}$$

ベッセルの微分方程式が現れる例

物理学でベッセルの微分方程式はときどき現れます.参考記事は以下です.

【物理数学】円筒座標のラプラス方程式とベッセル関数

【物理数学】N次元グリーン関数の解法(1)

【物理数学】N次元グリーン関数の解法(2)

第1種ベッセル関数の積分表示についての記事は

第1種ベッセル関数の積分表示とその導出

第1種ベッセル関数の積分表示(2) ポアソンの公式の導出

ベッセルの微分方程式の非斉次解についてはこちら:

Anger関数とWeber関数②(ベッセル微分方程式の非斉次解)

本記事では、下記の本を大いに参考にしています。厳密性はほどほどに、なるべくたくさんの演習問題が用意されています。産業や自然界における事例も豊富。数学科以外の理学部・工学部生にオススメです。


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次回の記事:

【D19】変形ベッセル微分方程式


常微分方程式シリーズ

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